日本デンタルショーで講演をさせて頂く機会を頂きました。
年間を通じて日本で一番大きな歯科界のイベントです。
ビックサイトで行われ多くの歯科関係者に来ていただけます。

そこでは、僕のCADCAM臨床7年間15000症例から見えた、マテリアルの選択基準についての僕からの考察を述べたいと思っております。
15000症例のうち、多くはトラブルなく今日も使用されています。
初期の頃は、不勉強と今ほど接着剤が良くなっていませんでしたので、問題も多少ありました。
しかし、それらの多くは、無料でやり直しをさせて頂いたり、過度の咬合力がかかっている方へは、材料費のみで新しい素材に変更させていただき、解決させていただいています。
現在は、VITA社のMark2、ENAMIC、RealLife の3種類のブロックでほとんどの症例をこなしているという内容を講演していきます。

現在、問題になる症例は、少なく あえて言えば、
・歯肉縁下のCr
・歯ぎしりの強い方
・インプラントの場合で、骨がなく上顎の歯列の兼ね合いでオフセットになってしまう場合

思いつくVITA社のマテリアルで困った症例は、そのくらいでしょう。
接着に依存するオールセラミック修復で接着できない症例、
マテリアルの限界を超える咬合力
遊離セラミックになってしまう、歯牙形態などが考えられます。

2016年 歯科界に新しい素材の風が吹いています。
その風がどうなっていくのか、分かりません。
先の見えない素材にすぐに飛びつく必要性があるのか、考えていきたいと思います。

日本でおそらく一番ブロックを使い、多くの症例をこなし、ある意味一番失敗をしているハートフル歯科医院だからこそ語れる、CADCAMの臨床的な一考察をお話ししたいと思っています。

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科