野田先生の破折歯を救うブログ

2019.11.25更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は「接着治療」シリーズの口腔外接着法(再植法)についてお話させていただきます。

再植法とは、外科的根管治療の中にもある術式ですが読んで字のごとく一度歯を抜いて元に戻す治療法です。よく「移植」と間違えられる方もいらっしゃいますが「移植法」は患歯が保存不可能となった場合に他部位のドナー歯を移し替える治療を指すため、患歯の保存を目的とした「再植法」とは似て非なるものです。

 

「口腔外接着法」は破折した歯を丁寧に抜歯して口腔外で炎症組織を綺麗に除去します。その後新鮮な歯質を出しスーパーボンド(医療用接着剤)で元の形に復元し、抜歯窩に戻し固定をします。外科処置の一つのため、治癒を待っての被せ物になるため、治療に期間がかかりますが、炎症組織を確実に除去できるため、実際に治療した後の経過としては良好なものがほとんどです。

 

しかし口腔外接着法を行う前に条件がいくつか存在します。

① 歯根の湾曲が著しくないこと

② 歯根が複数本ないこと

③ 破折片が揃っていること

④ 歯周組織のダメージが著しくないこと

この条件をクリアして初めて口腔外接着法に向けての治療を開始します。

なぜこの条件が必要かというと、①②は単純に抜いた歯を戻せないということです。

口腔外接着法を何度も経験していますが、この条件をクリアできなければ口腔外で接着した歯根を元に戻す際に破折根に負荷がかかり良好な経過が得られなかったり、そもそも抜歯窩に戻らないことがあります。

また破折片が揃っていなければ前回記載したようにパズルのピースが完成しないため接着治療が行えません。

歯周組織にダメージが大きければ、支えてくれる組織がないため、破折歯に常に負担がかかるため、長期的予後は期待できないでしょう。

 

歯根破折

 

写真の状態は、破折片の虫歯も大きく接着治療の適応にはなりませんでしたが、

歯根が複数本あること、金属の土台の向きからすると湾曲した根管だと推測されるため、

接着治療をしても予後が良くないと予想され、適応外という診断になります。

 

治療後も治癒の経過を見る必要があります。

「歯牙移植」同様一度歯を抜く治療のため、戻した後にその場に定着するかどうかの評価が必要となります。拒絶反応とは少し違いますが、異物反応として炎症が始まってしまっては、いつまでも揺れが引かず最悪の場合、自然脱落をしてしまいます。

落ち着くまでの固定、固定を外してからの揺れ・腫れの評価の後に被せ物の治療になりますので、治療開始前にしっかりとしたお話をさせていただく必要があると思います。

 

しかし残せるとしたらそれは入れ歯でもインプラントでもなくご自身の歯。

何よりも自分の歯を残すことにつながるのではないでしょうか?

長くなりましたので今回はここまでで、口腔外接着の実際の症例は次回ご紹介させていただきます。

 

 

野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮