野田先生の破折歯を救うブログ

2019.11.21更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

前回受講したセミナーの内容に関連して矯正的挺出法(エクストリュージョン)についてお話いたします。

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矯正的挺出(以下エクストリュージョン)とは歯茎の下にある歯根を矯正の力により上に露出させることにより被せ物を入れられる環境をつくる方法になります。

 

むし歯や破折により歯茎より下まで歯を失った場合、通常その歯は保存することができません。歯の保存ができるかどうかの基準としてフェルールといい、歯に被せ物を入れる際に、被せ物の縁よりも上に健康な歯質が高さ2mm(骨縁から5mm)、幅1mm、が必要だと考えられています。また無理に治療しても、精密な型取りを行うことができず、適合の良い被せ物が作れません。その結果は、被せ物と歯の間に不適合な隙間が出来て、そこからむし歯が再発してしまいます。(以前掲載ブログより http://www.e82.jp/blog/2019/11/part3-705373.html

 

このフェルールを確保するために行う処置をエクストリュージョンといいます。別の方法にクラウンレングステクニックというものがありますが、これについてはまた別のブログにてご紹介します。

 

両隣在歯に矯正器具をつけ、根っこだけになってしまった歯にフックをつけます。矯正用のゴムでそれらを結び牽引するのが治療法になります。

 

前歯など審美に関わるところは仮歯を入れてなるべく矯正器具が見えにくいように、歯が無いように見えないように仮歯もともに製作します。

 

1日2日で引っ張れるわけではないため、歯根の牽引状態を見極めながら経過をみていきます。矯正用のゴムも時間の経過とともに劣化をするので定期的に交換をします。

 

予定していた位置まで牽引が完了したら、外科処置により歯肉整形を行います。これはエクストリュージョンにより歯を引っ張るのですが、同時に周りの歯周組織(歯茎や歯根膜)も引っ張られているため、元の位置に戻す必要があるからです。これを行わないと前述のようなフェルールの確保に至らないため、引っ張っただけではいけないのです。

 

エクストリュージョンが必要な患者さんには必ず外科処置はセットで行いますとお話します。抜歯やインプラント手術に比べれば大きな外科処置ではないため、術後の違和感も少なく、患者さんには術前術後の症例の写真をお見せしながらお話をしております。

 

その後仮歯を入れて歯茎の引き締まりを待って最終的な被せ物に進めます。

 

おおよその期間としては矯正治療に1.5〜2ヶ月ほど、仮歯の時期が長くても1ヶ月前後を予定しているので3ヶ月前後の治療期間になりますが治療費用はセラミックの被せ物の費用を合わせて150,000円(税別)(2019.11月現在)になります。

 

もし大きなむし歯、破折により保存ができないと診断された方がいればエクストリュージョンが適応にならないか一度ご相談ください。

次回は実際の症例についてお話いたします。

 

野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮