本山先生エンドマスターへの道

2013.06.24更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

藤本研修会エンドコースの第2回目を受講してきました。

今回は、第2回目の中でも一番気になった"破折"について書きたいと思います。

破折というのは、歯が割れているということです。

破折は、大きく二つに分けることができます。

垂直性破折と水平性破折です。

水平性破折は、第5回ぐらいで講義されるとのことでしたので、

今回のブログでは私もふれませんが、水平性破折というのは主に外傷によって

引き起こされるものです。

そういうわけで、今回は垂直性破折のことについて書きたいと思います。

   

垂直性破折は、5つに分類されます。

①Craze Line(ひび割れ)
②Fractured Cusp(咬頭破折)
③Cracked Tooth
④Split Tooth
⑤Vertical Root Fracture(垂直歯根破折)

④のスピリット トゥースは、歯根の終末まで破折しているもので、

保存不可能な状態であり、抜歯という診断になってしまいます。

垂直性破折の中でも、③のクラック トゥースは診断が難しく、

⑤のバーティカル ルート フラクチャーは、診断と処置が難しいものとなります。

両者は破折の発生場所が異なり、診断と処置が難しいので、

今回の破折の講義の中でも一番時間を割いていました。

 

クラックトゥースは、なぜ診断が難しいのでしょうか?

歯髄炎(神経の炎症)の場合、多くはむし歯から起こるため分かりやすいのですが、

クラックトゥースの場合、歯髄炎と似たような症状が現れますが、

むし歯はなく、かつ破折線が見えにくいので分かりにくいのです。

これらのことが、診断を難しくしているというわけです。

診断でクラックトゥースを見つけられるかどうかの最重要な要因というのは、

我々が天然歯でも歯の破折が起こった時に、患者さんが訴える症状として

現れるということを知っていなければならないということです。

このようなことが診断時に欠落していると、診断名としてでてくることがなく、

見逃してしまう恐れがあると言えるでしょう。

次に、垂直性の歯根破折についてふれたいと思います。

垂直性の歯根破折は、歯根のあらゆる位置から始まり、

完全に破折したり、途中で止まる場合もあります。

垂直性の歯根破折は、残存歯質量に直結しています。

そして、このことは修復処置に関わってきます。

ハートフル歯科で行っているセレックによる修復処置は、残存歯質量を考慮し、

強い接着という考えのもと行っているものなので、非常に歯にやさしい

修復処置と改めて感じました。

   

破折というのは、様々な所見から診断しますが、

視認しか確定診断には至らないということでした。

そして、診断が難しく、治療手段が限られています。

しかし、今回の講義から学んだことは、やはり診断が非常に重要であるということ。

診断がつかなければ、そこで見逃してしまうかもしれないのです。

ただ、今回の講義を受けて、私は少なくとも破折というものが

頭の中の診断の一つとして入りました。

もしかしたら、また一人歯の痛みで悩んでいる患者さんを

救うことができるかもしれません。

この仕事に誇りをもって、日々の診療を行わせていただいております。

"すべては患者様のために"
 


投稿者: 本山 直樹

2013.06.02更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

今回は、CT症例について書きたいと思います。

ハートフル歯科では、最新のCTを導入しています。

皆さん、CTを用いるとそこから何が診断できると思われますか?

CTは、2次元のレントゲン写真では判断しづらい

複雑な根管形態や根の病巣の広がり、破折、

パーフォレーション(歯に穴があいている)など

何らかの問題が生じている場合に3次元的に診断することが可能なのです。

今回は、その中でも"見つからない根管"について書きたいと思います。

この症例は、右上の奥歯が虫歯により神経まで侵されており、

神経をとる治療を行い、根管充填まで通常どおり行いました。

ところが、痛みがとれず原因追究のためにCT撮影をしたところ、

2根管だと思っていたものが、実は3根管あったという症例です。

3根管目は虫歯により根管口が石灰化しており、

本来あるべき位置になく、見逃していたというわけです。

   

   

通常、レントゲンで根管の形や長さを確認して治療を行いますが、

通常のレントゲンは、平面的です。

重なった根管や分かりにくい根管には、このようにCTが非常に有効的です。

立体的に上下・横・斜めに観察でき、根管の実像を把握する

ことができます。

この患者さんは、無事マイクロスコープにより3根管目をみつけることができ、

現在痛みも軽減しており、治療終了へと向かっております。

最後に、今回はCTの有用性について書きましたが、

一番大事なことは、正しい医療・良い医療を行うためには、

正確な診断が必要であり、CTはその診断力を上げてくれるものの一つと

言えるでしょう。

"すべては患者様のために"



投稿者: 本山 直樹

2013.05.29更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

遂に、4台目の新しいマイクロスコープが導入されました。


   

カールツァイス社製のピコモーラーという機種です。

顕微鏡の最高峰の機種と言っても過言ではないでしょう。

まさに、王道といった感じです!

   

使用してみて感じたことは、抜群の操作性、

キセノン光による術野の明るさです。

それから、動画撮影なども行えますから、患者さんへの説明も

従来より行いやすくなり、非常に気に入っています。


   

理事長・ミナ先生、ありがとうございます。

充実した環境で治療を行えることに、いつも感謝しております。

個人的には、もちろん他のマイクロスコープも気に入っています。

ライトもLEDにしてありますから、鮮明に見えますので、

劣っていることはありません。

こちらも順次、動画撮影環境などを

整備していく予定となっておりますので、ご安心を。

根管治療の楽しみが、また一つ増えました(笑)

"すべては患者様のために"

今後とも、よろしくお願い致します。
 

投稿者: 本山 直樹

2013.05.26更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

東京国際フォーラムで4日間に渡って行われた

"第9回世界歯内療法会議"に行ってきました。

   

私は最終日だけでしたが、多くの先生方が訪れており

会場は熱気に包まれていました。

世界歯内療法会議とは、IFEAが3年に1回開催するもので、

エンド(根管治療)の世界大会みたいなものです。

今回の開催地は日本ということで、実は日本では初開催なのです。

 

ちなみに、講演は全て英語です。

もちろん、通訳レシーバーを耳につけてですが・・・(笑)

私が興味深いと思った講演は2つありました。

一つはUCLAの小川 隆弘先生の講演でした。

演題は、"光機能化により可能となる次世代の組織再生とインプラント治療、

エンドドンティクス(根管治療)との共有戦略は"というものでした。

光機能化とは、光によりインプラント体の表面を洗浄し、最適化を行い,

そして、性状を超親水性に変えるというものでした。

   

光機能化により、3~20倍のオッセオインテグレーションのスピード化が起こり、

治癒期間の短縮が起きていました。

オッセオインテグレーションとは、結合組織を介在することなくチタンと骨が

直接結合することです。

次世代の治療のお話でした。

これを、根尖病巣による骨吸収にも応用できるのではないかというもので、

現在も研究を進めているそうです。

もう一つは、前回のブログでも触れたシーラーのお話です。

カナダのWayne Pulver先生の講演でした。

演題は、"根管充填用シーラーへのバイオセラミック技術の利用"というものでした。

バイオセラミックスシーラー(BCシーラー)というシーラーのお話でした。

   

BCシーラーの特徴として、

①pH>12
②X線不透過性
③細胞毒性が低く、生体親和性が高い
④粒子が小さく、流れが良いので、吻合部まで流れる
⑤化学的に安定している
⑥抗菌作用がある
⑦HA(ハイドロキシアパタイト)結合能がある
⑧水分含有があった方が良く、結合強度が高い
⑨シリンジタイプなので、操作性が良い
⑩硬化時間も3~4時間と操作時間にも余裕がある
⑪根尖から出ても、術後疼痛がない

 

MTAと同等の性能の素晴らしさをもっていることがわかります。

ただし、残念なのはまだ日本には導入されていないということです。

非常に興味深かったです。

有意義な楽しい時間を過ごさせていただきました。

   

    

   

写真は、お昼に行われていたテーブルクリニックとポスター会場です。

会場は、すごい熱気で非常に盛り上がっていました。

これだけ多くの先生方が根管治療に情熱を燃やしているのをみて

私もいい刺激を受けました。

力をもらった気がします!

また、明日から日々の診療に力を注いでいきたいと思いました。



  





投稿者: 本山 直樹

2013.05.25更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

今回は、根管充填の話をさせていただきたいと思います。

皆さん、根管治療というとどこまでを根管治療とお考えでしょうか?

根管治療というと根管の清掃と思う方もいらっしゃるかと思います。

実は、根管治療とは根管の清掃で終わりではなく、根管充填という根管にお薬を詰めるところまでを言います。

根管充填には、根管充填材というものが必要になります。

よく根の中にお薬を詰めるというのは、根管充填材のことを指しています。

根管の封鎖には、ガッタパーチャというものが主流になっているのですが、

ガッタパーチャは単独の充填材として使うことはできません。

接着性がないからです。

根管腔を閉鎖するためには接着性が必要となりますので、

ガッタパーチャはシーラーという糊のようなものと

組み合わせて使うことによって成功をもたらすことができます。

   

今回はこのシーラーについて触れてみたいと思います。

ハートフル歯科では最近、"AHプラス"というシーラーを導入しました。

ドイツでは50年以上に渡って広く支持されているものです。

   

シーラーもそれぞれ特徴をもっており、様々な種類があります。

根管充填材の臨床的要件に、

①生体親和性
②形状安定性
③封鎖性の維持
④X線不透過性(X線に写るということ)   の4つであると言われています。

AHプラスは、理想的な根管充填材の条件の大半を満たしており、

1992年にヨーロッパで導入されましたが、それ以来長期的な封鎖性を示しており、

非常に生体適合性もよいことが基礎研究、臨床研究でも示されています。

以上のことから、根管充填に対して好適なシーラーと言えるでしょう。

今回は、シーラーについてお話させていただきましたが、

これからもハートフル歯科では根管治療について

使用している材料や器具などについて触れていきたいと思いますので、

よろしくお願い致します。

"すべては患者様のために"

ハートフル歯科では、常に正しい医療というものを考えています。

いつも最新の材料や器具などを導入していただいてくれる、

理事長・ミナ先生の思いを胸に、

これからも正しい医療を提供していければと思います。

ありがとうございます。


 

投稿者: 本山 直樹

2013.05.04更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

藤本研修会のエンド(根管治療)コース、第1回目の2日間行ってきました。

以前にも書きましたが、藤本研修会は年間コースです。

   
  

最初の第1歩を踏み出しました!

このコースは、石井先生が担当して下さるのですが、私は石井先生の指導を受けたくて受講しました。

石井先生は、歯内療法(根管治療)で有名なアメリカのペンシルバニア大学で学んでこられた根管治療の専門医です。

そして、私の出身大学の大先輩でもあります!

初回なので、総論的なことが主な講義内容でしたが、いつも石井先生がおっしゃっているのは、"臨床診断決定力"と"基本コンセプトの厳守"です。

   

例え、技術があったとしても、正確な診断と基本ルールを守ることができなければ、良い結果は生まれないということです。

当たり前のことかもしれませんが、日本の根管治療では、それができていないのが現状です。

ラバーダムなどは、その最たるものと言えるでしょう。

患者さんは、正しい医療を求めていますので、それに応えるのが歯科医師としての義務であると常々感じています。

これから、1年間長くて険しい道、根管治療を極める道が待っていますが、

「すべては患者様のために」というハートフル歯科の医院理念のもと、しっかりと

この道を歩んでいくつもりです。

今後とも、よろしくお願い致します。

投稿者: 本山 直樹

2013.04.17更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の歯科医師の本山です。

今回は、近々ハートフル歯科に導入するNiTi(ニッケルチタン)ファイルについて書きたいと思います。

ニッケルチタンファイルとは、根管の拡大・形成をするファイルのことです。

ニッケルチタンファイルは超弾性の性質を持つと言われ、非常にしなやかなのが特徴です。

そのため根管を直線化することなく、必要かつ十分な根管形成をすることができます。

ファイルとは、根管内側の汚染された歯組織の除去を行う治療器具です。



従来のステンレス製より特性的に優れたニッケルチタン製ファイルを使用することによって、一人一人異なる複雑な形状の根管から組織除去を確実に行います。

また、ニッケルチタンファイルは非常にしなやかな特徴を持ち、ステンレスファイルで治療した際のリスク(根管内に段差をつけたり、欠損をさせる)を負うこともありません。

治療においては従来不可能であった歯の根の尖端付近までの根管治療を実現することができるのです。

このニッケルチタンファイルを用い、患部を除去し充填材を隙間無く詰められるように根管形成を行います。


現在、ハートフル歯科に導入を考えているニッケルチタンファイルは

デンツプライの"wave one"というものです!

     


     
     

 
一番の特徴は、1本のファイルで根管形成を終えることができるということです。

従来のものは、だいたい3本ぐらいを使用していました。

つまり、簡単にかつ短時間での根管形成の実現が可能なのです。


先日、デンツプライの方にデモをしてもらいました。


     


     

 

実際に、模型を使って試してみたのですが、本当にすごい簡単でびっくりしました。

医療というのは、もちろん技術も必要ですが、それを補ってくれる器具というものが非常に重要であると再認識しました。

また、一つ根管治療の奥の深さにふれたような気がします。

早く診療に生かせる日が待ち遠しいです。
















 

投稿者: 本山 直樹

2013.04.08更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の歯科医師の本山です。

SJCDの岡口先生のエンド(根管治療)アドバンスコースに行ってきました!

         

岡口先生はじめ、インストラクターの先生方には非常に丁寧に教えていただいて、とても有意義な講習会でした。

この場をお借りして、お礼申し上げたいと思います。

                            

今回の講習会で、まず最初に感じたことは、マイクロスコープなしで根管治療は有り得ないということを改めて感じました。

日々の診療でマイクロスコープは使用しているのですが、マイクロスコープは根管治療において、非常に有用であると思いました。

根管治療は非常に難しい治療です。

岡口先生は、根管の汚れをしっかりと確実に除去することで、ほとんどのものは治るとおっしゃっていました。

岡口先生のところでは、外科的なアプローチまでいかないと対応できない症例は少ないともおっしゃっていました。

      


    

  
実は、根管をきれいにする、隠れた根管を見つけるということが、とても難しいのですが・・・

しかし、岡口先生のコースに参加して、その技術の高さと精密なアプローチを見せていただいたおかげで、また一歩根管治療の極みに近づけたような気がします。

自分にはまだ根の病気で困っている患者さんに対して、できることがあるということを感じました。

根管治療というと、アメリカやヨーロッパが進んでいますが、日本にも素晴らしい先生方がいる。

そして、その先生方から教えてもらうことができるという環境に感謝するとともに、根管治療を極めたい、少しでも多くの患者さんの悩みを救ってあげたいという気持ち、根管治療の楽しさに気付きました。

自分の中で、今回の講習会で得たポイントは4つあります。
① マイクロスコープをいかに正しく使い、根管の中を見るかということ。
② 根管に適切な位置でいかにアクセスするかということ。
③ 根管の中をきれいにするための器具。
④ 根管を封鎖するための材料としてのMTA。

③に関しては、"マイクロエキスカ"という器具があります。
マイクロスコープ用の小さなスプーンみたいなものです。耳かきをイメージしていただけると、分かりやすいです。
これが、今回一番の発見でした!
岡口先生は、ほとんどこれを使用しており、ガリガリというよりはソフトに使用するということでした。
私も使用しましたが、マイクロスコープ下で使用する場合、特に下顎の歯ではミラー像が反転するため、慣れるまでにとても苦労しました。

④に関しては、MTAという材料が日本では薬事法の関係で根管治療には使用することができず、ハートフル歯科でも本来の根管ではないところに穴があいてしまっている場合に対して、リペア材料として保険外診療の中で行っています。
非常に封鎖性の高い材料です。
ただし、根管に入れて封鎖する場合に緊密に入れるにあたっては、技術的な部分を求められます。

最後に、今回の講習会で得られたことは数多くありますが、根管治療に対するアプローチの仕方が変わったということです。

"根管の中の汚れをしっかりとることができれば、治るということ!"

当たり前のことかもしれませんが、これが原点であり、そのための方法があるということに対して明日からの臨床に少しずつ生かせるのだという感動でいっぱいです。

      

"すべては患者様のために"

4月末からは、石井先生の藤本研修会も始まります。

これからも、明日の臨床に向けて日々精進していくつもりです!

今後とも、よろしくお願い致します。

       

投稿者: 本山 直樹

2013.03.26更新

東京都三鷹市ハートフル歯科の歯科医師の本山です。

今年度の年間予定が決まりました!!

まず始めに、SJCDの岡口先生のエンドアドバンスコースに4月に行ってまいります。

岡口先生のコースは、マイクロデンティストリーコースとして基本から臨床応用についてのハンズオン(実習)になっています。

それから、4月から始まる藤本研修会のエンド(根管治療)コースにも行かせていただきます。

藤本研修会は年間コースであり、石井先生が講師をつとめてくださるコースです。

ここで石井先生が大事にされていることは、技術的なことももちろん大事なのですが、そこに至るまでの診断能力を向上させること
そして基本コンセプトの厳守が最も大事なことであると考えられております。

上記の2つがきちんと行われていないと、よい結果はでないということです!

私も、もう一度原点に戻り、石井先生のもと、勉強していくつもりです。

現在、ハートフル歯科全体でも根管治療において、

医院内でも石井先生の歯内療法研究会のベーシックコースに野田先生が行く予定となっております。

また、アドバンスコースには、井上先生が行くことになっております。

ハートフル歯科の医院内でも、根管治療のスキルアップにドクター陣で努めていくつもりです。

"すべては患者様のために"

今後とも、ハートフル歯科一同、よろしくお願い致します。


投稿者: 本山 直樹