野田先生の破折歯を救うブログ

2019.10.26更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は新機種YOSHIDA社コエックスi500についてお話続編として「今後の可能性」についてお話させていただきます。

以前YOSHIDA社のコエックスi500について何件かブログをアップさせていただきましたが、その中でブラッシング指導に使えるのではないかということを書かせていただきました。今回は実際に口腔内を染め出しした状態で光学スキャンを行ってみました。

 

以前のブログ

YOSHIDA コエックスi500が南口院に納品されました 

http://www.e82.jp/blog/2019/10/i500-1-702016.html

セレック・プライムスキャンとコエックスi500が導入されます 

http://www.e82.jp/blog/2019/09/i500-701692.html

YOSHIDA コエックスi500について 

http://www.88e7.jp/blog/2019/09/yoshida-i500-701694.html

 

みなさんは小さい頃などにお口の中を染め出ししたことがありますか?

磨き残しをピンク色の染め出し液で染色し、どこがハブラシの苦手なところかをみるもの。

ブラッシング指導を行う際、染め出したご自身の口の中の写真をカメラで撮影し、見せてもらいながら指導を受けたり、顎の模型をご自身の口の中に見立てて「歯ブラシをこう当ててください」と教わった記憶はあるかと思います。

しかし、写真を見ても立体的ではないため特に内側は分かりづらかったり、顎も模型も実際の自分のお口とは環境が違うため、イメージしづらかった経験はありませんか?

 

YOSHIDA社コエックスi500は他社の光学スキャナに比べ色調の再現性が良いので(以前私のお口の中を撮影した画像を載せましたが)お口の中の状態をイメージしやすいです。

そのため下の写真のように染め出しをした時に染まった場所がわかりやすく見えます。

口腔内の状態を立体的に色々な角度から見ることが出来るので、どこがどう磨けていないのか、どういう場所に注意したら良いかが衛生士側からも説明しやすく、患者さんもわかりやすいものになると思います。

 

上下

 

上

 

下

 

喉から

 

スタッフの口を借りて染め出しをしましたが、

この画像を見せると内側が真っ赤な状態にびっくりしていましたが、

模型で説明されるよりも色々な角度から見られるのでイメージしやすいと好評でした。

 

データ管理も容易なことから、ブラッシング指導のbefore 、 afterの比較も容易で、患者さんに頑張ってもらった成果がどの衛生士が担当してもわかるような仕組みとなっています。

 

この仕組みを実現するには衛生士の撮影スキルや実際の衛生士指導内容の変更が必要になり、実現には少し工夫は必要だと思います。

 

しかし、光学スキャナーも使い方を考えれば広がる要素は無限大。

患者さんの役に立つ使い方を模索していきながら日々診療していきます。

 

野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮

2019.10.23更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は前回に引き続き破折ファイルの除去についてお話します。

破折ファイルの除去にはマイクロスコープは必須と言えるでしょう。

 

どこにどういった状態で破折をしてしまっているのか、除去可能な状態なのか、除去できたのか・・・。細かい作業が求められる治療なためマイクロスコープ下にて慎重に除去を試みることが求められます。

 

破折ファイルが根管内に発見されたとき、周りに根管充填材が充填されている場合には

その除去から行います。周りにそういったものがなく、ただ歯根にねじ込んでしまっている場合には慎重に周りの歯質を削り破折ファイルに引っかかりをつくる必要があります。

これは根管に破折ファイルがある場合、切削器具によりファイルを削り落としていくのではなく、超音波スケーラー(歯石取りの機械)による振動で揺らして除去をするため、超音波スケーラーの先端が触れる場所をつくるためです。

 

破折ファイルが根管に残ってしまう多くの場合、破折ファイルが根管にねじり込んで破断することが原因とされます。木材にネジが刺さっているような状態です。これを除去するにはネジを削り取るのではなく、逆回しにネジを回せばネジは外せます。同じ原理で超音波の振動によりネジ(破折ファイル)を揺らして取ってしまおうというのが一般的なファイル除去になります。この方法が一番歯根を痛めずに破折ファイルが除去できる方法だと考えております。

ファイルの断片に超音波スケーラーの先端が触れるようになればET25スケーラーチップ(白水貿易)の超音波チップを当てて除去を試みます。少しずつ動いてくるので、その都度確認をしながら慎重に除去をしていきます。(白水貿易HPより)

 

 すらいど


実際の写真がこちら。

 

 術前ファイル

 

術中ファイル

 

術後ファイル

 


破折ファイル除去は多く行なってまいりましたが経験上、超音波スケーラーを当てる際は攪拌・還流するキャビテーション効果を狙って注水下での処置の方が除去できる可能性が高い気がします。

注水しながらの治療ですが、ラバーダムを行いながらの治療の為、喉にお水がたまらないよう治療を行っておりますのでご安心ください。

 

ここまで破折ファイル除去についてを書いてきましたが、大切なのはしっかりとした根管治療をすること。ファイル除去はその中の一つの要素でしかありません。

根管内が綺麗になったことをしっかりと確認し、確実に充填することこそが根管治療なので、そこまで責任を持って診療させていただきます。

 

また破折ファイル除去の症例があればお話いたします。

 


野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮

2019.10.22更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は根管治療における破折ファイルについてのお話をさせていただきます。

 

ファイルとは根管治療を行う際に使用する根管切削のドリルのようなもの。

根管治療で使用するファイルは破折する可能性があります。というよりも折れるものです。

 

ファイル破折の発生率は手用ファイルで0.25%、ロータリーファイル(機械による切削)で1.68%程度と言われています。(Iqbal MK, Kohli MR, Kim JS. 2006)

根管治療とは細くて曲がった根管と言われるトンネルに、それより細い針金を用いて感染歯質を取り除くことが目的です。日本の診療報酬のルール上、毎回ディスポーザルのファイルを使用することは難しいため、毎回滅菌処理をして清潔な状態で使用をしていますが、刃物と同じで使用頻度により鈍っていってしまいます。ファイルの刃部が伸びていたり、縒れてしまっているような破折のリスクがあるファイルは定期的に破棄し新品のものに交換しますが、日本の保険診療で使用される手用ファイルは上のデータよりファイル破折の確率は高いものといえるでしょう。

 

歯科医師の中ではそのことは当然のこととして認識していますが、患者さんにとってはそうではないかもしれません。

 

根管治療を行う際の器具は滅菌管理されているため、ファイル自体が感染源になることは考えにくいですが、除去するか否かは歯根の状態を含めよく考える必要があります。

 

それは破折ファイルの除去のために少なからず歯根を削らなければならないからです。

破折ファイルの除去のためにパーフォレーション(歯根に穴が開いてしまう状態)や歯根破折をおこしてしまっては元も子もないからです。根管治療の目的は歯根の病気の予防と治療であり、破折ファイルの除去が目的ではありません。

 

ファイルが折れるのは医療事故ではなく偶発症なのです。

 

一番大切なことはそういったことが起こる可能性をきちんとお伝えすることであり、

もし起こった場合にはきちんと患者さんにお伝えすることだと考えております。

 

破折ファイル1

 

破折ファイル2

 

破折ファイル3

 

破折ファイル4 

 

当院ではマイクロスコープを用いた根管治療を自費、保険問わず行なっております。

マイクロスコープでは根管内にどういった問題があるのか調べることができるため、

破折ファイルが見つかることもしばしば。

歯根の状態、破折ファイルの状況、破折ファイルが感染に起因しているかを診断し、まず除去可能な状態なのか、除去を試みることでのリスク、除去することがその歯にとってメリットがあることなのかをお話し、診療を行なっております。

 

次回は実際に破折ファイルを除去した症例のお話をします。

 

 

野田裕亮

 

投稿者: 野田 裕亮

2019.10.21更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は前回に引き続き予防検査についてお話させていただきます。

 

SMTとはSalivary Multi TestのことでLION社から提供している多項目・短時間唾液検査システムです。読んで字のごとく測定時間5分で6項目のリスク因子を測定することができるので、他の唾液検査システムに比べ、気になったその日に検査をして、結果が出るものになります。(当日検査前の禁飲食や歯磨きの禁止等もありますので詳しくはお問い合わせください)

 

唾液検査により傾向を調べ、対策をしていければ、患者さん一人一人に合わせた予防プランをご提供することができます。
項目は「むし歯菌数」「酸性度」「緩衝能」「白血球」「タンパク質」「アンモニア」の6つ。(LION社HPより)
むし歯菌:むし歯菌数を100万〜1億個の値で記しています。菌数が多ければむし歯菌に対しての予防が必要でしょう。

 

酸性度:唾液の酸性度が高いと口腔環境は酸性になり歯質が溶けやすいことが知られています。

緩衝能:唾液にはむし歯菌や食物由来の酸を中和する機能(緩衝能)がありますがその働きが

     弱いとエナメル質などの歯質が溶けやすいことが知られています。

白血球:歯と歯ぐきの間で細菌や異物が増加すると生体防御により唾液中の白血球が増加します。

    高く検出されるとお口の中に炎症があることが推測されます。

タンパク質:口腔内細菌や歯面に付着するバイオフィルム(プラーク)の影響により、

    唾液中のタンパク質が多くなると検出されます。

アンモニア:口腔内細菌総数が多いと唾液中のアンモニアが多くなると知られていて、

    それが口臭につながるといわれています。

 

詳しくはLION HP(http://lionpro.lionshop.jp)をご参照ください。

 

患者さんにお渡しする資料は写真のような円グラフでわかりやすくご説明させていただきます。

チャート 


平均値に比べどこがウィークポイントなのか、どう予防していけばむし歯に困りにくい口腔内環境を目指していけるのか、一目見ればわかる仕様となっています。

 

予防検査を受けられる方、受けようかご検討されている方、全ての方にお話をしていますが、予防検査を受けることでむし歯にならないわけではありません。あくまで現状を知ってもらうツール。

 

闇雲に予防を始めるのではなく、あなたにとって最適な予防プランを立てていくお手伝いをさせてください。

 

詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

 

野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮

2019.10.20更新

こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は予防検査についてお話しさせていただきます。

 

みなさんは予防検査をご存知ですか?

 

予防検査とは唾液検査ともいわれ、唾液を検出しそこからむし歯のリスクを調べるといった検査です。メーカーによっては口腔内のプラークを採取して培養器で培養し、菌種を特定する方法や唾液を試験紙に垂らして瞬時にリスクを特定する検査もあります。

 

当院では南口院・北口院とも以前からLION社のSMT(Salivary Multi Test)を導入しています。
先日、LIONの担当者の方がいらっしゃり、当院でも予防検査の知識についてアップデートを行いました。予防検査が患者さんにとってより身近なものになるよう衛生士をはじめ話し合いました。

 

smt


医科では身体の不調を訴えたときに血液検査をすることで身体のどこに異常が出ている、または予備群かがわかります。尿酸値が高ければ痛風に気をつけましょう、血糖値が高ければ糖尿病に気をつけましょう・・・。
それと一緒とは言えませんが、自分の口腔内のどの項目に問題があって、何に対して予防していけばいいかが明確になることで、より効果的に予防歯科を提案することができます。

 


今は予防歯科が普及し、ドラッグストアでもフッ素入り歯磨き粉、フッ素のうがい薬、デンタルフロス、キシリトールタブレット・・・。色々な予防歯科グッズが溢れています。

 

それだけみなさんもむし歯にならないように気をつけていらっしゃるかと思います。
ただ、「何から始めればいいの?何が私に必要なの?」に答えられる方は少なくないのではないかと思います。
実際それぞれの予防グッズは効果があり、続けていくことで予防の効果は期待できるでしょう。しかし全てを取り入れて予防していくのは精神的にも金銭的にも難しいのではないでしょうか?

 


予防検査によりご自身のリスクを把握し、それに対して対策をしていく「傾向と対策」が効果的だと思います。なんか受験生みたいですね。

 


「むし歯の原因はむし歯菌」だけではないのです。ご自身の体質、生活習慣、歯磨きの頻度や当て方、食習慣・・・色々なものが重なってむし歯は発症するのです。
何が一番効果的なむし歯予防なのか?何を続けていくことが効果的な予防歯科なのか?
それは一人一人違います。
あなたに最適な予防プランを提案するために当院では予防検査を行っております。
詳しくはスタッフまでお問い合わせください。


次回はSMT(Salivary Multi Test)について詳しくご紹介します。

 


野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮

2019.10.03更新

こんにちは

 

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

本日YOSHIDA社 コエックスi500が南口に搬入されました。

 

早速自分の口の中を撮影してみました。

カメラのヘッドは少し大きい印象を受けましたがそれほど重いとは感じませんでした。

自分の口の中にカメラを入れた感想からいえば、患者さんサイドからは、さほど他機種との大きさの違いは感じませんでした。

むしろ光学スキャナーでの撮影は撮影速度も思っていた以上に速く、

撮影した画像もかなりリアルに近い画質でした。また口腔内カメラの機能も備わっているのは魅力的でした。

 

通常、患者さんにお口の中の状態を説明する時、噛み合わせや歯並びの説明をする時は型取りをして模型におこしてお見せする。歯の色やむし歯の箇所をお話する場合は口腔内の写真をカメラで撮り、

「ここにむし歯があります」とレントゲン写真と照らし合わせながら説明し、患者さんに自分のお口の中を想像してもらいながらお話を進めていきます。

 

しかしながら、コエックスi500(メディットリンク)のようなシステムがあればお口の中の情報が高画質の3Dで、映し出されるのですごくイメージがしやすい。

セラミックを作るツールとしてだけではなく、患者さんに今の状態を理解してもらいやすい。治療後とのbefore、afterを比較することが容易になるため、術後の変化がわかりやすいメリットもあります。

 

写真は私の口の中の写真。

こえっくす 

 

こえっくす舌側面観

 

私の中では光学印象のメリットは型取りの簡便化もそうですが2枚目の写真のようにノド側からの状態を撮影できることにあります。これにより普段見ることのできない側からの状態を発見、お伝えができるので、口腔内写真とはまた違った視点で情報をお伝えできると思います。

 

またこれを応用すれば初診時やメンテナンス時、歯垢染め出し液でお口の中を染色して撮影することで、お口の中のトラブルに対して模型を用いてではなく、直接お口の中の状態を3Dでお見せすることができるので、患者さんへの説明ツールとしても期待できる機種ではないかと思いました。

 

公式販売開始はまだですが、少しずつコエックスi500の良さを皆様にご紹介できればと思っております。

 

 

野田裕亮

投稿者: 野田 裕亮

2019.10.02更新

こんにちは

 

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回は3Dプリンターについてお話ししたいと思います。

みなさん3Dプリンターって聞いたことがありますか?

 

今やプリンターは3Dのものを出力できる時代です。今では家庭用の3Dプリンターまで登場し、「3Dプリンター」と検索すると「フィギュア」と出てくるほど一般的なものになってきています。歯科でも3Dプリンターの登場は様々な分野で活躍をしています。

 

代表的なものとしてはサージカルガイドといい主にインプラント治療の際に用いられ、

ガイデッドサージェーリーなどとも呼ばれますが、手術時にシミュレーション通りにドリルで骨を削る際に、マウスピースをはめながらそれに沿って手術をする方法です。

 

3Dpurinto 

 

3Dpurinnta-

 

人の目ほど誤差に気づかないものはありません。コンピューターで事前に設計した通りの手術ができれば、誤差も少なく侵襲の少ない手術が可能と言えるでしょう。そういった際に使用するサージカルガイドこそ3Dプリンターで製作が可能です。

 

また、私が治療で担当することが多いのですが、歯牙移植を行う際にも3Dプリンターを活用することができます。歯牙移植とは奥歯がむし歯や歯根破折により保存できなくなり抜歯を余儀なくされた場合、親知らずなどの別の歯を該当部位に引越しをする治療になります。歯牙移植に関してはまた別のブログに掲載させていただきますが、歯牙移植を行う際にも骨をドナー歯(持ってくる歯)に合わせて削る必要があります。その際に3Dプリンターによりドナー歯のレプリカを作っておくことで事前に歯根の形態を把握することができ、手術時間の短縮、侵襲の縮小、ひいては手術成功率の向上に繋がると考えられます。

 

れぷりか 

 

8番レプリカ

 

他にも仮歯であったり、入れ歯であったり、今ではマウスピース矯正のマウスピースであったり3Dプリンターの活躍の場は増えていく一方です。

 

こうした日進月歩の歯科医療の発展に常にアンテナを張り続け、患者さんの悩みに応えられる医療を日々模索しています。

 

私の中では3Dプリンターは「裏方」という認識でいます。根管治療、口腔外科、セラミック治療、インプラント治療・・・花形の治療技術というよりはそれを支える役回りだと考えます。地味ではありますが、しかし裏方がいない仕事はいつか限界がくる。

 

いつか様々な治療に3Dプリンターの後ろ盾が当たり前の時代が来るような気がしています。

 

今後そういった症例があればご報告させていただきます。

 

 

野田裕亮

 

 

 

投稿者: 野田 裕亮