根管治療100問100答第2章

Q

21. ラバーダムって息苦しくないですか?

A

息が苦しいことは、ほとんどありません。
(精神的な原因でそういう気分になる方は、まれにいます)
はじめて目にするとちょっとビックリされるかもしれませんが、やってみると意外に楽ちんです。
麻酔を使用することも多いものです。
痛みもありません。
何より、唾液の侵入防止、呼気(吐く息)の湿度のコントロールは、根管治療やセレック・セラミック治療の際の接着の成績に大きく左右します。

Q

22. このあいだ神経の治療をした時に、口にゴムの膜を被せました。いままで何本か神経の治療をしましたが、今回初めて経験しました。「ラバーダム」と言われましたが、あれは何なんですか?

A

ラバーダムとは、薄いゴムのシートを使い、治療する歯だけを見えるようにします。
ラバーダムを行うことで、患者さんにさまざまなメリットがあります。
唾液を侵入させない。器具の誤嚥防止。術野の確保。
その為に非常に重要な部分になっています、

良い医療を行うための必須のテクニックです。

Q

23. ラバーダムをすれば殺菌消毒が可能ですか?

A

殺菌消毒をより厳密に行うことができる
歯ぐきや舌、のどなど口の中に薬剤が入らないので、より厳密に殺菌消毒が行えます。

ゴムのシートで覆っているので、唾液が歯(根管)に入らない
口の中や唾液の中には数百種類の細菌がいます。
治療中の歯に細菌たちが入り込んでしまうと、治療の意味がありません。そんなことではきれいにしたいのか、細菌感染させたいのか、よく分からなくなってしまいます。
治療歯の細菌をコントロールすることで、根管治療の最も重要なコンセプトである「細菌を歯の中に入れないこと」と「すでに入ってしまっている細菌をきちんと取り除くこと」がはじめて可能になります。
いくら「全ての器具を滅菌している」 「ディスポーザブルを使用している」と言っても、ラバーダムを使用していなければ感染予防対策を行っているとは言えません。

ラバーダムをされると、露出した歯牙の周囲の湿度のコントロールができます。
サウナの壁にセロテープが接着しないように、お口の中では、吐く息の湿度で接着がうまくいかないものです。
そこでラバーダムをして、セレックの接着をしっかり行っています。

Q

24. ラバーダムをすれば乾燥した状態で治療が可能なのですか?

A

乾燥した状態で治療ができる
吐く息は意外と湿っています。この水分が接着やセメントなどの性能を劣化させることがあります。
ラバーダムで治療中の歯に息をかけないようにすると、いっそう良い医療ができます。

Q

25. 神経を取って歯の根の治療をしています。あと数回くらい根の中に入れたお薬を交換しないといけないといわれましたが、なぜ何度も交換する必要があるんですか?

A

歯根の治療は 「細菌を歯の中に入れないこと」 と 「すでに入ってしまっている細菌をきちんと取り除く事」 「細菌感染した歯質を取り除く事」がもっとも重要です。
細菌や感染歯質が残っていると、将来的にふたたび問題が発生してしまうことがあります。
根管内を清潔にするために、回数がかかっていると理解して下さい。

Q

26. 歯根の治療に回数がかかってしまう理由を教えて下さい。

A

具体的には、歯根の治療に回数がかかってしまうのは、次のことが理由としてあげられます。

炎症を起こしている歯髄(いわゆる「歯の神経」)を取り除くとき
2センチ前後の大きさしかない歯の中で、何千本もの神経血管が複雑に入り込んでいます。
麻酔をして、細菌に配慮しながらそれらを丁寧に取り除くには、少し時間がかかります。
このステップの最後に最終的なお薬を入れてます。
きちんと治療をすれば、再びその歯が細菌感染して悪くなる可能性がほとんど無くなります。

以前に歯髄を取ったけれども、再治療が必要なとき
根管(歯髄があったところ)に繁殖している細菌と感染歯質を取り除きます。
初めて歯髄を取った時よりも治療は困難です。
弱い細菌はすぐに死にますが、しぶとい細菌は何度もお薬を交換して、きっちり殺菌しなければいけません。
また、根管の尖端まで器具がなかなか到達しないために、時間がかかることもあります。
一番初めに根管の尖端まで器具を到達させ、しっかりお薬を入れてくれていなかったために、
根の先に細菌感染(膿がたまり)して症状が出ていたと考えられます。そこで回数をかけてでも尖端まで器具の到達が必要になります。
再治療は通常、かぶせ物を取り除いて土台を外してからスタートになるので、その分も回数が増えることがあります。

Q

27. なぜラバーダム防湿が必要か?

A

日本では、多くの歯科医院が根管治療時にラバーダム防湿をしないで行っているため、患者さんの認知度も非常に低いのが、現状です。
根管治療は、外科処置の一種であり無菌的処置が必要です。

ラバーダムを使い、根管治療を行います。唾液の中の細菌が治療している根管内に入らないようにしながら、根管内を消毒していきます。

Q

28. 歯が割れている場合、抜くしかないのか?

A

歯が割れている場合、通常抜歯になります。
そのまま、だましだまし歯を無理に残しておくと、歯が割れている破折線に沿ってその部分の骨が無くなり、急性症状が出る確率が高くなります。

抜歯後インプラント治療をするとしても骨移植や歯肉移植が必要となり、より難易度の高い治療が必要になります。

最終的にインプラントを考えるんであれば、戦略的に抜歯をすることも考えなくては、なりません。

Q

29. 歯牙移植は行っていないのか?

A

歯牙移植はやっております。
歯牙の移植は、条件が整わなくては、できない治療です。
可能性がある方には、その場でご案内させていただいております。
歯牙の状態が悪い場合には、インプラント治療の方をご案内させて頂きます。

Q

30. 根管内に使用している薬は?

A

当院で根管治療に用いている薬は、次亜塩素酸の電気分解水、水酸化カルシウムです。
一般的な歯科医院で使用しているFCなどのホルマリン系の薬剤、クロロホルムなどは、発がん性があるためアメリカの歯内療法学会でも使用されていません。
しっかり拡大、しっかり洗浄、しっかり化学的な消毒が根管治療の王道だと認識しています。

Q

31. MTAはどういう歯に適応ですか?

A

MTAの出現により、従来抜歯と診断された、パーフォレーション(根管内の出血や穴あき)修理し歯を残す事が可能になりました。
MTAは、自費治療になります。

Q

32. MTAとはなんですか?

A

MTAとは1993年に米国で開発された歯科用の水硬性セメントで、強アルカリph12による殺滅作用(ほとんどの細菌はph9.5で破壊されると言われております)と組織を刺激することによる硬組織形成作用があり、覆髄パーフォレーションリペア、クラック、外科的歯内療法など多岐にわたり使用でき優れた成績を有しています。

日本では、保険適用にはなっておりません。
当院では、10,000円(税抜)の費用がかかります。

Q

33. MTAは根充充填でも使用できますか?

A

使用できます。MTAが推奨される理由として、従来のガッタパーチャによる根管充塡に比べ、その硬化膨張により封鎖性が高く漏洩による炎症を引き起こすことなく外来刺激を遮断し、MTA表層にセメント質の添加が促されることも分かっています。

主には、尖端が大きく開いてしまった場合に使用します。
必要性の高い場合は、説明させていただきます。自費治療になります。

Q

34. マイクロスコープの倍率は?

A

マイクロスコープを使用して根管治療を行うと、人間の視力の6~32倍の大きさで見ることにより、
より正確でより精密に、そして安全な治療が行えます。

Q

35. 歯髄炎ってなんですか?

A

虫歯を放置すると、虫歯は深くまで進んで神経(歯髄)に達して、歯がしみたり痛んだりします。
これを歯髄炎といいます。 歯髄が細菌に感染してしまったということです。

Q

36. 根の先が腫れた感じがしますがなぜですか?

A

虫歯や打撲などによって神経が死んでしまった時や、根の治療を途中のまま期間がたってしまった時や、以前に神経を取っている歯が何らかの原因で感染を起こした時に根の先端(根尖)に膿が溜まってきます。
このまま放置すると、だんだん痛くなってきます。

Q

37. 神経治療後の歯を押したりすると痛みがあるのですが大丈夫ですか?

A

根管治療中はなんらかの不快症状や痛みが出ることがありますので、当院では気になる方は痛み止めを飲んでもらっています。
根管内に最終的なお薬を入れた後も、痛みや膿が出ている時もあります。しばらくたっても症状が治まらない時は、ご相談ください。

外科処置に移行したり、再治療をしたり考えます。
再度原因を探るために、CT撮影することもあります。

CTによる高度な診断で、原因を探り、治療の糸口を探します。
診断が治療を変えていきます。

Q

38. 自覚症状全く無しだが神経が死んでいた。根管治療は必要?

A

当院では、まず電気歯髄診断器を使用し神経が死んでいるか診断します。
また、神経が死んでいる場合は、根管治療を行わなければ変色や腫れ痛みに可能性があります。

積極的に根管治療をお勧めしております。

Q

39. 歯ではないのに歯髄炎になる事はありますか?

A

噛み合せや歯ぎしり、外傷、歯周病から歯髄炎を起こすこともありますし、歯の亀裂から歯髄炎もありますし、知覚過敏からも可能性はあると思います。
まったく、原因が分からないということもあります。

Q

40. 被せものを外して根から膿を出しましたが、綿しか入れていないのですが蓋はしないのですか?

A

根管解放という処置です。蓋をしないことによって膿が出る通り道を確保しています。
膿が出た後に蓋をします。

膿を出すことで、痛みからも解放されるはずです。
その後、しっかり消毒して根管内に最終的なお薬を入れていきます。